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2013年5月4日土曜日

韓国の「カンガルー族」事情

韓国では、学校を卒業しても親と同居し生活費まで依存している人たちのことを「カンガルー族」と呼んでいます。日本でいう「パラサイトシングル」や「パラサイトダブル」のことです。

その「カンガルー族」ですが、30代や40代になっても「カンガルー族」でいる人たちが増えているそうです。

韓国日報によると、一昨年、ソウル市が統計庁の人口住宅総調査などの資料を分析したところ、30代や40代になっても親と同居している人の割合は、2000年は25万3244人だったのが、2010年には48万4663人と、実にこの10年で91.4%も増えたのだとか。

就職難のうえ、アルバイトでは自立した生活が困難で雇用も不安定。結婚しても持ち家は高くて買えず、子供の教育費も馬鹿にならないとなると、親から独立して世帯を持ちたくないと考える子供がいても仕方がないことかもしれません。

ちなみに親のほうはというと、ソウル市民のなかで「子供と一緒に暮らしたい」という60才以上の老人は、2005年の49.3%から2011年の29.2%と6年間で20.1%も減ったといいます。

3日、ソウルのCOEX会議室で開かれた「福祉の死角地帯とその解決策セミナー」において、高麗大学のギムウォンソプ教授が明らかにしたことによると、65歳以上の公的年金受給者は29%に過ぎないと韓国メディアが伝えていました。

韓国は子供が働くようになり家庭を持っても、親が子供の経済的な面倒をみる独特の文化があるのですが、その親も自身の老後の資金確保には苦労しているようです。

一握りの企業は好調なものの、国民生活は苦しいという韓国社会の側面が数字から読みとれたような気がします。