韓国の国家記録院は4日から、「国の記録(contents.archives.go.kr)」というサイトで、1960年代から90年代にかけておこなわれていた「不良食品」や「不良漫画」の追放運動の記録を公開しました。
「不良食品」とは、学校近くの文房具店などで売られていた人口甘味料などが含まれる駄菓子などで、「不良漫画」とは、暴力的だったり性的な描写のある漫画など子供に悪い影響を与えると考えられていた漫画です。
映像には、粗末な漫画喫茶に集う子供や「不良漫画」を焚書をおこなう様子が見受けられます(動画)。
「不良食品」は子供の健康に悪い影響をおよぼす食品だということで追放の対象になっていましたが、「不良漫画」は漫画のなかで描写されていることを模倣する子供がいたことから焚書をするまでに至ったようです。
中央日報の「TBC(東洋放送)時間旅行」には
1972年2月、ソウル東大門区新設洞。当時十三歳だった小学校6年生が首をくくって亡くなりました。この生徒が自殺した理由は、漫画で見た「復活の真似 」。コミックでは死んだ人が生き返ると、実際にそれを真似た呆れる出来事でした。その生徒が通っていた学校の生徒と先生たちは、これに衝撃を受け、校庭で不良漫画の焚書をおこないました。という記述がありました。
軍事独裁政権下では、漫画は風刺や批判の道具に活用されるのではないかと為政者は考えてか、未成年者保護法に「不良漫画」は規定され、取締りの対象となっていたようです。
未成年者保護法は1999年に青少年保護法に統合され、「不良漫画」の概念は過度に抽象的だとし、憲法裁判所で違憲の判決が下されたそうです。