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2013年3月17日日曜日

北朝鮮の火田民

「かつて朝鮮半島では焼畑農業がおこなわれていた」と過去形のように言われていました。しかし1990年代には、北朝鮮で当局によって厳しく禁止されていていた焼畑が食料難から容認されるようになったといいます。

2009年と翌2010年、米国航空宇宙局(NASA)が北朝鮮で火と煙が発生していることを確認したと発表したことがありました。

NASAがMODIS(中分解能撮像分光放射計)を使って撮影した衛星写真に北朝鮮の東海岸と内陸で大規模な火と煙が写っており、韓国メディアは山火事ではないかと推定していました(NASAの衛星写真)。

これらは火田民(ファジョンミン=화전민)による焼畑(ファジョン=화전)の可能性があります。北朝鮮の農民は、地力の低下を招き、山林の荒廃による水害で土砂崩れを起こすことがわかっていながらも、焼畑農業をしなければならないほど悲惨な状況に追い込まれているのでしょう。

火田民は北朝鮮研究所の北朝鮮大事典には以下のように載っています。

焼畑(火田)農耕を営む農民。山間傾斜地の草木に火をつけ、そこに粟・ジャガイモ・豆・ソバ・とうもろこしなどを栽培する。施肥をしないため、3~5年で地力が消耗。他の所に移動し、10年前後放置した後に再び耕作する形態をとっている。最近、北朝鮮では食糧難で国家の供給体系が麻痺。住民たちが家を売って食べ物を探し、山間辺境にまで押し寄せ、焼畑を作っている。すなわち、当局の統制にもかかわらず、深刻な食糧難のため、北朝鮮では1950年代を最後に消えた火田民が再び現れたのが実情だ。 火田民Fire-field tiller;slash-and-burn peasant (カン・ソクスン)