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2013年2月9日土曜日

映画「ウリハッキョ」の欺瞞?

 

映画「ウリハッキョ(우리학교)」は、2006年の釜山国際映画祭でドキュメンタリー部門最優秀賞に選ばれた作品。翌年、劇場公開され、のちに「共同体上映」として、映画館以外の場所でも自主上映会が開かれています。

韓国人のキム・ミョンジュン監督が亡き妻で映画作家のチョ・ウンリョンさんの企画を受け継ぎ、3年余り密着して「北海道朝鮮小中高級学校の日常を描いた」(「ウリハッキョ」自主上映・日本公式ブログより)作品だそうですが、どういうわけかこのドキュメンタリー映画には「金親子」がでてきません。

北海道朝鮮小中高級学校には金日成・金正日親子の肖像画はなかったのでしょうか?この2人について、授業では教えていなかったのでしょうか?

この映画に限らず、金親子についての記述がない朝鮮学校を紹介する書籍(例えば、岩波ブックレット「知っていますか、朝鮮学校」朴三石著)がありますが、これではありのままの朝鮮学校を見せているのではないような気がします。

金親子(金政権)と学校の関係が実際はどのようになっているのか外部からはわかりにくく、その部分も朝鮮学校の「無償化」是非の問題の焦点のひとつではあるのに、不自然とも思える「金隠し」に納得がいかない人も多いのではないでしょうか。

民族教育は大切なのかもしれません。しかし、民族教育が育てた民族意識が為政者によって政治的に利用されやすいことを考えれば、今の朝鮮学校の民族教育のあり方は十分に改善の余地があると思われます。

朝鮮学校を紹介したい側は北朝鮮同様、自分たちが見せたいところしか見せないという姿勢なのでしょう。キム監督もその方向性に沿って、この映画を撮ったのではないでしょうか。