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2013年2月18日月曜日

ソウルで情緒生かす貧民街再開発



韓国で再開発というと、古い町並みを消し去り、高層アパートを建設するというイメージがありました。けれどもソウル市では、「白砂の村」と呼ばれる蘆原区中渓本洞の住宅再開発区域(18万8899平方メートル)の約23%を保存区域に設定。1960から70年代の庶民の家と路地・階段道などをそっくり保存するといいます。

再開発された場所は、古いたたずまいの低層住宅354軒と新しいアパート1610世帯が共存し、ソウルの近・現代史をひと目で見ることができる街になるとのことです。

2011年9月6日付のソウル新聞によると、白砂の村は1967年に都心開発で強制撤去にあった清渓川と永登浦地域などの住民が越してきて形成され、1971年に開発制限区域となって、2008年1月に解除されるまでは新規住宅が一戸も建てることができず、そのためにソウルではほとんど唯一1970年代の庶民の住居形態を完全に残した地域となったとのことです。

2009年5月には住宅の老朽化から、再開発区域に指定され、高層アパートを作る予定だったものの、消えてゆく住居地生活史として地域保存が必要だとの声があがり、ソウル市が保存区域として指定。SH公社が買収し、白砂の村の住民と借家人750世帯に最優先的に貸しだす予定で、外観は1970年代の姿を残し、内部は暮らしやすいように現代風にリモデリングするとか。

ソウル市では、住居地を保全する方式での再開発は初めてで、2016年の完工を目指しているとのこと。完成後は、住居生活史の博物館や「テーマのある観光地」として活用するそうです。